落花
ぽとりぽとり、ぽとりぽとり 花びらを広げることもなく椿が蕾で落ちていた。 色を出してあげたいと思った。思ってしまった。 火にかけた椿の花は熱を帯び ゆっくりゆっくり内側に秘めた色を放つ。 はじめて糸を染める。 おそるおそ→続きを読む
ぽとりぽとり、ぽとりぽとり 花びらを広げることもなく椿が蕾で落ちていた。 色を出してあげたいと思った。思ってしまった。 火にかけた椿の花は熱を帯び ゆっくりゆっくり内側に秘めた色を放つ。 はじめて糸を染める。 おそるおそ→続きを読む
人為とはかけ離れた大自然のようなものに動かされたとき 私は首を垂れてそれに従う。 植物は思いもよらない色を内包する。 色の中に色があり、その中にもさらに色がある。 そこにあるのは無限の広がり。 草木で紙を染め、布を染め、→続きを読む
ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐると まだ同じところを回っている 次こそは 次の季節こそは、 あの曲がり角をいつもと逆に曲がって このぐるぐるから抜け出そうと思うけれど なぜかまた同じ場所をぐるぐるぐる。 ある人は軽やかにあの→続きを読む
「夕べにすべてを見とどけること」 何度も繰り返し読んでいる小説にこんな一説がある。 人は生きていると常に問われる。 「それでもその人を愛せるか」 「それでもその人を許せるか」 私たちはよく生き、よく死ぬために生まれてきた→続きを読む
2024年、啓蟄 椿の花びら染め。 花びらを一枚一枚はがす。 花の中には昼寝をしている虫が1匹、2匹、 お昼寝を邪魔してごめんね、と声をかけながら 起こさないように外の茂みへ。 花びらを鍋にかけて火を通す。 鮮やかなピン→続きを読む